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遺言、相続手続きのスペシャリスト 帯安行政書士事務所

相続お役立ちコラム 〜大切な人が亡くなったとき〜column


第8章 ー 公的書類と遺産分割協議書、様々な専門家(士業)




【目次】

色々な公的書類(戸籍、住民票・・・登記事項証明書・・・・)
戸籍等について(なぜ必要か、取得方法、取得範囲、他の章へのリンク)
住民票について
印鑑登録証明書について
遺産分割協議書について(金融機関の手続き、不動産の手続き、自動車)
不動産の境界
税務・紛争について




■色々な公的書類(戸籍、住民票・・・登記事項証明書・・・・)

経緯はどうあれ、遺産分割協議書を作成するという現状に至った場合
(主に取得が必要になる公的な書類)

―市区町村役場―
・戸籍等(除籍簿等含む)
・住民票(除票含む)
・印鑑登録証明書
・資産証明書(名称は様々)
・課税非課税証明書(名称は様々)

―法務局―
・不動産登記事項証明書(土地・家屋)
・公図、測量図

などの、上記の一部または全部の公的書類が必要になってきます。


■戸籍等について(なぜ必要か、取得方法、取得範囲、他の章へのリンク)

窓口に行く人の身分証明書、認印等は持参していきましょう。併せて、生命保険の請求や他の手続きで使用した時の、死亡診断書等や故人の除籍関係のコピー等も持参すると、窓口での話がスムーズになるかもしれません。

(必要性)
相続の手続きにおいて、皆さん(被相続人、相続人等)が本当に存在する人なのか。本当に相続が発生していて、その相続をする人が誰なのか。日本では戸籍等の書類がこれらを公的・正確に記録しており、被相続人や相続人を証明するためにもこの戸籍等が用いられています。したがって、相続手続きの一部である遺産分割協議書にも、この戸籍等が用いられることになります。

(窓口に行った人以外の戸籍の取得)
ご自身の戸籍を取得するのは何も難しくありませんが、故人や他の相続人のものとなると「相続の手続きをするので必要である」という申し出を、窓口に備え付けてある申請用紙に記入して取得するのが一般的です。併せて身分証明書の提示や、認印が必要になるときもあります。

(戸籍は管轄役場でのみ交付される) 
戸籍等については、本籍地を管轄する市区町村役場でないと取得できません。ですから、過去に引っ越しなどで本籍地が変わっていると、引っ越す前の本籍地の戸籍等を取得するにはそれを管轄する市区町村役場へ請求することになります。
(例)亡くなった当時はA市に本籍のあった人が生前B市に本籍をおいた時期もあった。こういったとき亡くなった人のB市の戸籍等をA市で取得することは出来ません。この場合A市はもちろん、B市に対しても取得請求をすることになります。
※繰り返しているうちに何となく慣れてくると思いますが、最初のうちは戸籍を見つめたまま次に何をするのか分からずに固まってしまうかもしれません。固まってしまっているような気がしたら、そのときはあまり悩まず、窓口の職員さんに「次はどこの市区町村役場さんへ請求したらいいでしょうか・・・?」と取得した戸籍を見せながら教えてもらう方がスムーズだと思います。

(合併などで役場が無くなっている)
過去の本籍地を管轄していた市区町村役場が合併等で存在しない時は、現存する近隣の市区町村役場へ「●●村と言うのはもう無いが、ここの時の戸籍を取得するには、今はどの役場に請求すればいいでしょうか?」とたずねてみましょう。大体は解決します。

(取得は窓口と郵便を併用)
実際の取得は、足を運ぶのが可能な距離にあるのであれば窓口に直接赴いても良いと思います。ちょっと足を運ぶのは遠いなと思う場所は、郵便で取り寄せることもできます。
仕事などで平日の朝から夕方は時間が作れないような場合、全てを郵便で取得してもよいでしょう。
※郵便での取寄せ方は「補足」で後述します。

(戸籍等の取得の範囲)
◆故人(被相続人)の出生から死亡までの戸籍等
戸籍の歴史にはあまり触れませんが、戸籍の様式変更が明治から平成にかけて何度も行われています。故人の年齢や、転籍・入籍・除籍等の数でも当然変わってきますが、平均的に5通前後は取得することになると思います。
出生から死亡までのものが必要になる理由は、一般的には「ほかに相続人がいないかの確認」とも言えますし、身内間で他に相続人はいないと間違いなくわかっていても、それは公的な書面(戸籍等)で証明しないと、法的な相続手続きが進められないからという一面もあります。

◆既に亡くなっているが、存命していれば相続人だった人の出生から死亡までの戸籍等
 例を挙げると際限が無くなりますので、よくある事例から引用して記載しますが、お子さんたちが相続人となっていて、お子さんたちの兄弟姉妹のどなたかが既に亡くなっている場合がよくお聞きする事例です。
 幼少時に亡くなっている方は、その方が載っている戸籍が一通あれば大半は大丈夫ですが、一定の年齢以降(「嫡出可能年齢」という言い方が多いようです)の場合、出生から死亡までのものが必要となります。
※このケースの時「代襲(だいしゅう)相続人」という文言がよく出てきますが、これは「補足」で後述致します。

◆相続人(存命中の皆さん)の戸籍等
 これは今現在のもの1通で足ります。1通で足りる理由は、最新の戸籍から除籍になっていなければ相続人として存命しているから形式的には相続権があることが推定されますし、戸籍等には必ずその方の父母(養父母)の記載もあるからです。
※相続人のはずだが、戸籍の取得が難航してしまい、生死含めて確認が出来ない人(どこに住んでいるか分からない、正確な住所がわからない等含む)がいる場合については「補足」で後述します。


■住民票について

 遺産分割協議書には、各相続人の「現在の住所」を書くのが通常です。この「現在の住所」を証明するためには、住民票が必要になります。

(第三者の住民票取得は条件が厳しい)
 住民票については、同じ世帯にお住まいの方全員分を請求できるような取り方もあるため、様々な事情から(プライバシーやDV等)、たとえ親族でも、それが相続の手続きであったとしても、その世帯に住民票を置いていない人(第三者)が取得しようとする場合、必要性を丁寧に申し出なければならなくなることもあります。
相続人各自がそれぞれ自分のものを自分で取得してもらうのが一番スムーズです(もちろん住基カード等があればそれでも大丈夫だと思います)。
※結果的に他の相続人の住民票を取得することが難航してしまった場合については「補足」で後述致します。


■印鑑登録証明書について

(必要性)
 遺産分割協議書には、戸籍等で相続人であることが証明され、住民票で現在の住所が証明されれば、「この遺産分割協議書に書いてある内容で私は納得しました。私は相続人であり、現在の住まいはここです。」・・・という後に、市区町村役場に登録されている実印を押印します。そして、押印されているハンコは実印で間違いないですという証明を印鑑登録証明書で裏付けるイメージになります。

(カードか実印のいずれか、または両方がない)
登録カードも、登録されている実印もある場合は何も問題はありませんが、揃っていない時はやはり問題になります。
通常は登録カードで印鑑登録証明書を発行してもらうので、登録カードがないと印鑑登録証明書が取得できません。
登録カードがあっても実印がなければ遺産分割協議書に押印できません。

(市区町村役場へ問合せ)
極論になりますが、市区町村役場で、印鑑登録の廃止届・新規印鑑登録手続き(名称は様々)をすることになると思います。特に難しいことではなく、今までの実印を廃止でリセットして、新たに実印を申請するという感じです。今までの実印でそのまま新しいことにして申請登録もできます。窓口に行けば即日で廃止・登録可能です(持ち物は事前に確認してから窓口へ行ってくださいね)。書類自体も両方やっても2〜3枚くらいですので、本人が窓口に足を運べば、それほど難しい手続きではありません。

(問合せ方)
少し不適切な表現ではありますが「よくあること」です。「カード(又は実印若しくは両方)を紛失したので、廃止と新規の手続きをしたいが、何を持参してそちらに行けばいいですか?」といった感じでしょうか。丁寧に聞く姿勢があることに越したことはありません。

(海外にいる相続人)
 相続人が海外在住の場合、その方は日本に住所がないので、日本の市区町村に住所がある人がその市区町村役場に登録すべき印鑑登録証明書はありません(住所がないので登録自体が不可能ですので)。ご説明しなくても当然と言えば当然のことです。
したがって、こういう場合、まずは各書類の押印部分にその方が直筆で「サイン」をします。そして大使館や領事館等から、そのサインについて公的な証明を受けることになります。
一般的にはこの「サイン証明」が印鑑登録証明書の代わりになるのですが、提出先等(行政機関等、金融機関や生命保険会社など)によって、サイン証明の他にも添付書類を求められることがあるようです。何れにせよサイン証明は必要ですので、そのあとのことは提出先に確認をしましょう。


■遺産分割協議書について

(はじめに)
今更ですが、遺産分割協議書は相続人が2名以上いる時に作成するものです。併せて、様式に決まりはないのでインターネット上にも書籍にも様々な書式が転載されているようです。どれが正しくてどれが間違いなのかというのも、その人その家で分割協議をするものによって異なるため断言はできません。せっかく作っても、金融機関や法務局で「これでは受け付けられない」と言われることも十分あるでしょう。
こういう不安への無難な対処法としては、金融機関や法務局に備え置きのひな形がないかの確認をしてみること。他にはそういうことに詳しそうな職業の人に相談してみることでしょう。

さて、戸籍等、住民票等、印鑑登録証明書などが正確に揃うことが前提となりますが、ここでは遺産分割協議書自体の必要性について触れたいと思います。
 
◆金融機関の手続き等
まずはプラスかマイナスか一旦通帳の記帳を最後まで行い確認します(有料でもよければ、残高証明書の発行依頼の相談なども金融機関へしてみていいと思います)。
※借金等の理由で総合的にマイナスになるので、家庭裁判所への相続放棄手続きを検討中の場合は、ここから下は読まず、家庭裁判所等に相談されることをお勧めします。
(相続放棄手続きの専門家は、弁護士、司法書士となります。)
―――――――――――――――
(ここから下は、相続をするという「単純承認」を前提とした記載になります)

・(複数の金融機関の通帳があればそれらの最終残高をすべて確認したうえで、預貯金等がプラスの場合)
理由はどうあれ、トータルがプラスであれば解約して皆で分けたくなるのが普通だと思います。プラスだからみんなで分けたいとなった場合は、遺産分割協議書でも対応してくれますし、金融機関それぞれの特有の手続き方法もあります。やり易いほうで手続きをしてよいと思います。
※金融機関特有の方法で手続きをされる場合は、金融機関の職員さんの指示通りにやることになりますので、ここでは割愛します。

(遺産分割協議書で金融機関の手続きをするとき)
一般的には協議書の中に「金融機関名」「口座番号」「残高の分配方法(法定相続分とか、誰々に○△□万円など)」を書いておくことになります。金融機関の職員さんに対して「うちの銀行の口座名義人の相続人達が、こういう配分で分けるということで遺産分割の協議が整っているのだな。戸籍も住民票も印鑑登録証明書も揃っているな・・・」と確認してもらうことで、速やかに手続きを進めてくれるでしょう。


■不動産の境界

◆不動産について
法務局から必要な書類(登記事項証明書・公図・測量図など)を取得します。登記事項証明書の「表題部」という欄に、所在、地番(家屋番号)・地目・地積等の記載がありますので、それらを正確に遺産分割協議書へ書き写します。持ち分や処分方法などは別にして、必要な書類がそろっていれば、形式的にはここに記載した通りの内容で遺産分割の協議が整ったということになります。
※なお、法務局によっては遺産分割協議書のひな形を渡してくれる大変親切なところもあります。書類も完璧に揃っていて、記載内容が自力で何とかなりそうなら、そのひな形に沿って職員さんに聞きながら記載していくのもまたよろしいかもしれません。職員さんも自分のところにある見慣れたひな形への記載相談であれば積極的に教えてくれると思います。丁寧に聞く姿勢を持つことは大前提です。

(故人名義の不動産を相続人名義にしたり、売却したり、変更等をしたり(賃貸、境界問題の解決、分筆など)する場合)
遺産分割協議書の記入作成自体は何とかできたとしても、その後殆どの場合、登記事項証明書の内容を変更する必要が生じます。内容変更が比較的簡単であれば法務局の職員さんに相談しながらやる人もいますが、それなりの難易度になると、一回で正確な記入ができなかったり、取得する書類が多岐に渡ったりして、期間を要し、何回か法務局の方へ足を運ぶようにはなると思います。
司法書士と言う法務局関係の手続きを取り扱う専門家がおりますので、ご相談されることをお勧めします。もちろん費用は生じますが、その手間ひま・素人がやったときに要す時間を考えれば、十分納得できる範囲だと思います。
※登記手続きを司法書士に依頼するか、法務局で教えてもらいながら自力でされるかは別に、共通して必要になる書類は、市区町村役場で取得できる、課税非課税証明書、資産証明書(双方名称は様々)です。

(境界問題や分筆等)
境界問題や分筆等(以下測量等と言う)になると測量などの作業も必要になります。測量についてはさすがにメジャーで図ったら何メートルだった・・・というものをそのまま公式の書類に書くわけにはいきませんから、司法書士を通じて「土地家屋調査士」という専門家を紹介してもらうと良いでしょう。土地家屋調査士は土地や家屋の種類やサイズを記録している「登記事項証明書の表題部」の内容の全てを網羅する専門家です。専門的な知識や高額の機材を用いた測量技術はもちろんのこと、測量した結果を表題部に登記反映までしてくれます。
中には司法書士・土地家屋調査士どちらもいる合同事務所などもありますので、予備知識として覚えておくのもよいでしょう。この2つの専門家に依頼すると不動産の登記手続きに関することの殆どが解決します。

◆自動車
自動車の手続きの際に必要になることもあります。しかし、車については自動車屋さんなどにすべて任せた方が早いと思います。言われたものを準備して、言われたところに記名押印すれば、こちらで遺産分割協議書などを作成しなくても大抵は解決すると思います。もし遺産分割協議書が必要であればそのときは作成するなりすればよいでしょう。


■税務・紛争について

(税金の問題が生じそうな場合)
 皆さんそうですが、大体はご自身である程度のところまではお調べになると思います。お調べになった範囲で税務署の職員さんと相談し解決しそうな難易度であれば特に問題はありません。
しかし、税務関連の法律や事例などは大変複雑で、税務署で相談してもその内容が多岐に渡り自力での進行・終結が難しいと感じる場合も当然あります。あわせて、数字等に苦手意識のある方などは難易度の有無を問わず積極的になれないことが多いようです。
こういった場合、税務関連の専門家である税理士に相談されることをお勧めします。膨大な量に及び、難解な手続きや申告についても、殆どのものが税理士によって解決に向かうと思います。更に、税務関連の性質上、一時的な対応だけでなく継続的な対応等が必要になってくるものもあります。そういった場合も心強い味方になると思います。

(揉め事になりそう、争いごとになりそうなとき)
言うまでもありませんが、他人のすべての揉め事や争いごとを代理人として終結に導くことができるのは弁護士を置いて他にありません。もちろん弁護士に依頼しなくても、家庭裁判所などで終結できるような手続きも形式上は存在します。
皆で家庭裁判所に行って話し合おうという一定の合意があるのであれば、家庭裁判所へ相談してみても良いと思います。しかし一人でも難色を示すような人いるのであれば、先ずは弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談すれば、殆どの現状を正確無比に把握してくれ、法律にも合致した迅速で効果的な解決方法を助言ないし実現してくれると思います。
その対応範囲の広さや、難解な事案を終結に導ける専門知識等から、依頼時には相応の報酬が生じますが、弁護士以外に真似は出来ないことを代理人として実行するという観点から見れば、決して納得できないものではないと思います。
※もちろん、揉め事・争いごとの基準はその人その家それぞれですので、「どういった時に」とか「こういう場合は」といった線引きは誰もできません。どこに相談されるかは、または弁護士等に相談すること自体が必要かなどは各自での判断となることも言うまでもありません。



     第7章・故人が事業を経営していたとき
     第9章・補足一覧

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