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遺言、相続手続きのスペシャリスト 帯安行政書士事務所

遺言お役立ちコラム 〜大切な人へのメッセージ〜column


第5章 ー 補足一覧



【目次】

遺言能力
制限能力者(被後見人、被保佐人、被補助人など)の遺言
生命保険について
遺言信託
遺言代用信託
遺言執行者
認知
遺贈(抜粋した記載。こういう遺言も可能と言う視点で参照ください)
遺留分
ペット
葬儀や告別式をしない
墓地でなく散骨してほしい
尊厳死
個人財産と会社財産
遺贈させるという書き方・相続させるという書き方
遺言書作成後に相続人や受遺者が先に死亡していることに備えて
相続人から廃除しても、廃除者の子は代襲相続する件
海外居住者等の遺言について





■遺言能力

満15歳以上(民法961条)


■制限能力者(被後見人、被保佐人、被補助人など)の遺言

動画等で遺言書の作成当時を録画しておくと紛争を回避し易いです。
なお、民法973条の規定にもご留意ください。


■生命保険について

(用語の整理)
A保険者:保険会社の事
B保険契約者:掛け金を支払っている人
C被保険者:この人の死亡等で保険金がおりる
D保険金受取人:Cの死亡による保険金を受け取る人
(1) BはいつでもDを変更できますが、保険法45条の定めにより、Cの同意が必要になります。
(2) 保険法44条1項により、遺言でDを変更できることになりました。
・遺言でDを変更し、BとCが同じ人のときは、保険法44条2項により、遺言でDが変更されたことをAに連絡しなければなりません。
・遺言でDを変更し、BとCが違う人のときも前述の保険法45条により、Cの同意が必要になります。Cの同意を得てからAに連絡することになります。
相続編の生命保険ともリンク


■信託(経営する会社のことなど)

@遺言信託(私益財産のみ):遺族の生活費、墓地や供養料などの継続的な支払いを、亡くなった後も何とかしてあげたいときにするもの。
特徴は、信託の指定をしても遺留分は害せないが、信託財産自体は遺産とはならず、遺産分割協議の対象にもならない。
―遺言信託をするにあたり遺言書に記載する内容―
(全て記載すると膨大な量になりますので、箇条書きできる範囲の記載です。ご留意下さい)
・信託目的の設定(例:妻と子に生活費として1か月あたり30万円を支払うなど)
・信託財産(物権・債権・著作権・特許権・無体財産権、債務を含めることもできる)
・受益者(例:妻、子など。※一定の要件で受益者を定めないこともできる)
・受託者(生前信託もできるし、遺言者が受託者になることもできる。基本的にはプロに任せるべき。指定受託者が受託しない時は、家庭裁判所で受託者を選任してもらう)
・期間(20年まで)

A遺言代用信託:生前は委託者が受益者となり、委託者死亡後は、委託者の妻や子が受益者となるものが一般的(信託法90条)。
―遺言代用信託と遺言信託の違い―
・生前の信託契約が基礎となるため、遺言の方式に則る必要がない
・遺言信託と違い、受託者が就任を拒絶するような問題が生じない。
・特段の定めがない限り、委託者は受益者を変更できる(信託法90条)
・委託者の地位は、遺言信託では原則として相続人に承継されないが、代用信託の場合は原則として相続人に承継され、別段の定めで委託者の地位を消滅させたり、権限を制限したりできる。
・代用信託の場合は、特段の定めがない限り、委託者が死亡するまでは受益者は権利を有しない(つまり、委託者の死亡前は、信託契約を変更したり終了したりもできる)

―遺言代用信託の活用場面―
・高齢者、障害者の財産管理
判断能力のある高齢者の親Aが、障害者の子Bを持っている。将来に備え親族Xと信託契約を締結する。受益者はAの生存中はA、A死亡後はBとする。
あわせて、AとXの間で任意後見契約と財産管理契約を締結しておく。

・事業承継
◆会社の議決権の行使につき信託契約を締結して置き、
→経営者が健全な状態:委託者の指図に従い受託者が議決権を行使
→経営者の意思能力が欠けてきた状態:受託者の裁量で現経営者のために行使
→経営者が死亡したとき:受益者となった承継者の指図に従い受託者が行使
このような定めをしておくことで、遺言・遺言による信託と違い、経営者が意思能力を欠くことになった事態にも対応が出来る。
◆後継者がまだ育っていない
→自社の株式を信頼できる従業員へ信託して会社経営を当面その者へ委ねる。委託者の生前は委託者を受益者として配当金を受領し、後継者が育った段階でその者に株式を給付することが可能です。

―相続法と遺言代用信託の関係―
・信託法に独自の機能があるとしても、信託が民法の規定に優越するわけではない。
→特に「遺留分制度」は遺言代用信託制度にも及びます。
・信託を設定した場合→贈与・遺贈に準ずるものと解されているので、特別受益に該当するものとして遺留分の規定に服する。
・遺留分の優先順位
1位:遺贈、相続
2位:死因贈与(遺言代用信託もここに準ずる)
※遺留分についての詳細は割愛致します。


■遺言執行者

細部には入りませんが、遺言者の意思通りの財産処分をしてくれる人の事です。一人でも二人以上でも特に人数に定めはありません。ご自身の財産状況や相続人等の現状から、速やかに手続きを進めてくれる人がいた方が良いのではないかと思われる場合、遺言の中で遺言執行者にしたい人を指定できます。


■認知

生前認知だと、認知したい子の年齢により、母親の承諾(母親の名誉)や本人の承諾(成年者だと親の扶養義務が生じるため)が必要になるため、遺言で認知することで相続権のみを付与するような「遺言認知」をすることができます。ただし遺言認知で親子関係が生じたとしても、その子は非嫡出子扱いとなるため、その点を考慮した遺言内容が必要になります。
参考:相続編の平成25年問題(仮称:嫡出子と非嫡出子の法定相続分)へリンク


■遺贈(抜粋した記載。こういう遺言も可能と言う視点で参照ください)

・プラスの財産のみ遺贈できます。負債等は基本的に遺贈できません。

・負担付遺贈:A地を甲へ遺贈する代わり、甲は遺言者の配偶者が存命中は扶養すること。
※甲が遺贈を放棄したら、A地は遺言者の配偶者が取得する。
※甲が負担を履行しない時は、民法1027条により負担付遺贈の遺言の取消しの問題となる

・停止条件付遺贈:甲が家業を継いだら、甲にA地を遺贈する

・解除条件付遺贈:甲にA地を遺贈するが、甲が家業を辞めたら、遺贈の効力を失う

・始期付遺贈:遺言者の死亡後5年経過したら、A地を甲へ遺贈する

・終期付遺贈:遺言者の死亡後10年間だけ、A不動産の家賃収入の全額を甲へ遺贈する


■遺留分

遺留分とは、遺言書の内容が各共同相続人の法定相続分と異なる割合で遺産を取得させる記述となっていて、その割合が、法定相続分の半分未満(厳密には細かい決まりがありますが、ここでは便宜上簡素化します)となった相続人がいる場合、その半分に満たない分を「遺留分」として他の共同相続人へ請求できるものです。
遺言書を書く際はこういったことも念頭に入れておいた方がよいでしょう。
その性質上、過去にも数多くの遺留分を巡る裁判例が存在します。


■ペット

不謹慎な言い方かもしれませんが、家族以上に大切にされている方も珍しくありません。そのお気持ちも十分に理解できる世の中です。ご自身が亡くなった後のペットの世話をしてくれそうな方へ、預貯金の一部とともに負担付でお世話をしてもらうことを書いた遺言書もお見かけします。できるだけ生前にその方とお約束の上、承諾を頂いたうえで遺言書に記載されることをお勧めします。承諾も無いまま遺言書へ記載し、万が一その方が世話は出来ないという事態になると、ペットにも望まないような展開になるのだけは避けて下さい。


■葬儀や告別式をしない

こういった遺言書を書かれる方もいらっしゃいます。法的な効力はありませんし、直ぐに遺言書が見つかるような工夫に加えご家族の理解も必須でしょう。しかし、ご自身の意思表示として、どうしてもそうしたいというお考えがあるのであれば、一般常識など気にせず遺言書に記載されることをお勧めします。


■墓地でなく散骨してほしい

葬儀等と同様、こういった遺言書を書かれる方もいらっしゃいます。法的な効力はありませんし、直ぐに遺言書が見つかるような工夫に加えご家族の理解も必須でしょう。しかし、ご自身の意思表示として、どうしてもそうしたいというお考えがあるのであれば、一般常識など気にせず遺言書に記載されることをお勧めします。法的にも「葬送のための祭祀として、節度をもって行われる限りは問題ない(法務省の見解)」とされています。「〇〇海の沖合」「●△山のどこそこ・・・」というように、具体的に書いておくことが望ましいでしょう。


■尊厳死

一切の延命治療をしないでほしい(自然に死なせてほしい)というもので、公正証書(尊厳死公正証書)で残される方が多いです。
死期を早めるための安楽死ではなく、回復不可能で治療が延命のみ(末期)である場合に、本人の意思表示があるときに作成する公正証書です。
ここでは割愛しますが、臓器提供について公正証書の作成をされる方も増えているようです。


■個人財産と会社財産

遺言書で処分の指定が出来る財産は、個人名義の財産に限ります。ご自身が会社を経営されていても、その会社の財産を遺言で相続させることは、原則として出来ません。たとえ遺言で会社財産を相続財産とする旨の記載をしても、今までの例では無効となる例しかないようです。


■遺贈させるという書き方・相続させるという書き方

・相続させると書くと、不動産の登記原因も相続となり、税務上のメリットがあること。
・相続させると書くと、不動産の所有権移転登記前でも第三者にも対抗できること。
・相続させると書くと、法定分でも特定分でも、相続人は単独で不動産の登記申請ができること。
 結果的には「相続させる」と書いた方がメリットはあるようです。詳しくは司法書士等の専門家へ相談されることをお勧めします。


■遺言書作成後に相続人や受遺者が先に死亡していることに備えて

遺言書の効力が発生するときに、相続人や受遺者が既に死亡していることも考えられます。こういったことも想定した、二段構え・三段構えの対応が出来る遺言書を作成されることをお勧めします。将来の予想は不可能ですから、すべてが完璧に対応できるとは限りませんが、安易に記載せず、可能な限りご自身で考えを巡らせて作成されることが大事でしょう。


■相続人から廃除しても、廃除者の子は代襲相続する件

相続人の廃除、欠格事由への該当などで、相続人の資格を有さない人でも、その廃除者等に子がいる場合は、代襲でその子が相続することになります。廃除者等の家族仲の状況や、その子がまだ幼い子だったりすると、結果的に相続したのと同様の展開となることもあります。


■海外居住者等の遺言について

◆外国に住む日本人の遺言書作成
基本的には、日本の民法・居住国法、何れの法でも遺言書を作成できます。

◆公正証書遺言について
領事館(領事が駐在していれば)があれば、公正証書での遺言も作成できます。領事が駐在していない国に住む日本人は、領事のいる隣国へ行って公正証書遺言を作成できます。この場合、領事が公証人の仕事をすることになります。

◆相続について
被相続人の本国法による(本国=国籍のあるところ。二重国籍以上の場合は常に住んでいる方の国の法が適用されることが多いです)。

◆認知による親子関係の成立
認知の当時の子の本国法が定める要件を満たすことも必要。

◆不動産と動産について
英米法では、不動産はその所在地の国の法律に従い、動産は被相続人の本国法に従うとされています。たとえば米国のカリフォルニア州に相続財産としての不動産がある場合は、不動産をめぐる手続きはカリフォルニア州の規定によります。

◆遺言執行者の選任
日本人であれば本国法にしたがって遺言執行者を指定できます。ただし、英米法のように不動産は所在国、動産は本国と言う扱いの法律の場合、不動産の相続は所在国の司法機関が選任した執行者を立てるのが通例なので、日本人が本国法で遺言執行者を指定したことについて、裁判所の選任手続きを経る必要が生じます。

◆在日外国人の遺言書作成
その人の本国法でも、日本の民法でも、遺言書作成当時の国の法律でも、常居所を有した地の法律でも作成可能とされている。

◆反致(はんち)
日本の民法で「その人の本国法による」として日本法以外の法を適用する規定があっても、その本国法が遺言の準拠法を行為地(遺言地)としている場合、反致(国際私法の適用上の問題)が生じる。日本では反致を容認しているので、こういった場合日本法が準拠法となります。



     第4章・条件付・負担付での記入をする
     

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